鋼のメンタル

著者:百田尚樹 新潮出版社

第一章 打たれ強さの鍛え方
第二章 挫折との付き合い方
第三章 心の立て直し方
第四章 精神の解毒法
第五章 鋼の処世術
第六章 「成功」の捉え方

[内容]
打たれ強さは鍛えられる
人は自分が思っているよりも強い
後悔はするだけ無駄
心を壊すのも立て直すのも自分
人間関係で悩むのは幸せな証拠
人間の耐久力には限界がある
他人の悪口は大いに言うべし
謝罪と訂正を躊躇するな
百年後の世界から自分を見てみよう
幸せの基準を他人に求めるな
自分を分かってくれないと嘆くな
喜怒哀楽があっての人生         

[感想]
生きる勇気をくれる一冊。何度も読み返したくなる。

これからの正義の話をしよう

著者-マイケル・サンデル 訳-鬼澤忍

<目次>
[1章]正しいことをする
福祉、自由、美徳

[2章]最大幸福原理
ジェレミーベンサム功利主義

[3章]私は私のものか?ーリバタリアニズム(自由至上主義)

[4章]雇われ助っ人ー市場と道徳

[5章]重要なのは動機ーイマヌエル・カント
権利に対するカントの見方

[6章]平等の擁護ージョン・ロールズ

[7章]アファーマティブ・アクションをめぐる論争

[8章]誰が何に値するか?ーアリストテレス
正義、目的因、名誉

[9章]たがいに負うものは何か?忠誠のジレンマ

[10章]正義と共通善
中立への切望

[内容]
第1章は、「正しいこと」とは何か問題提起する。台風や災害後の便乗値上げの問題など。自由市場を擁護するか、美徳や福祉が優先されるべきか。
第2章は功利主義の利益重視の考えは、本当に正しいのか?
第3章はリバタリアニズムについて、何でも「自由」が正しいことのなのか?
第4章は自由市場は公平なのか?金銭を払って他人にやらせることの道徳性について。
第5章は「権利」について、カントの考え。人間の権利とは。「本当の自由」とは。
第6章は、身分、格差の問題と平等主義、実力主義についてロールズの考え。人生は公平か?
第7章は、アファーマティブ・アクションについて。
第8章は、正義についてアリストテレスの考え。名誉、美徳、善き生について。
第9章は正義と自由について個人主義(主意主義)と物語的考え方。連帯と責任、帰属、忠誠。
第10章は政治に道徳や宗教を持ち込むことについて進歩主義の考え。



[用語]
自由放任主義
レッセフェール。政府が企業や個人の経済活動に干渉せず市場のはたらきに任せること」を指す。経済用語。

功利主義
ベンサムが提唱した理論。人間は快と不快に支配されている。この事実を認め、道徳生活と政治生活の基本に据える。道徳の至高の原理は幸福、すなわち苦痛に対する快楽の全体的な割合を最大化すること。自分の利得を最大化するように、合理的に行動すること。

リバタリアニズム
自由至上主義。制約のない市場を支持し、政府規制に反対する。

リベラリズム
人は誰でも自由に生きる権利があるとする考え方。

アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)

善き生
アリストテレスにとって「善」とは道徳の根拠。我々(人間)の本性(目的)を実現し、人間特有の能力を磨くこと。

コミュニタリアン(共同体主義)
個人のアイデンティティ(歴史的記憶、信仰、連帯など)を切り離して、正義や権利を論じることはできないという考え方。

物語的考え方
人間が道徳的行為者として、目的や目標に至る方法。
物語として人生を捉える。「人間は物語る存在だ。我々は物語の探求としての人生を生きる」
アラスデア・マッキンタイア著書「美徳なき時代」



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反応しない練習

著者-草薙龍瞬 KADOKAWA

[目次]
はじめに
第一章 反応する前に「まず理解する」
・悩みを無くそうとしない。理解する
・その問題の「理由」に着目する
・心の状態を「きちんと見る」だけで
第ニ章 良し悪しを「判断」しない
・「ムダに判断」していませんか
・"慢"という心のビョーキに気をつける
・「つい判断してしまう」からの卒業
・「自分を否定しない」。どんな時も
・「本物の自信」をつけるには?
第三章 マイナスの感情で「損しない」
・感情を、上げもせず、下げもせず
・困った相手と「どう関わるか」
・大原則ー"快"を大切にしていい
第四章 他人の目から「自由になる」
・他人の評価を追いかけない
・うっとうしい相手から「距離を置く」
・もう較べない。自分のモノゴトに集中!
第五章 「正しく」競争する
最終章 考える「基準」を持つ
・正しい心に「戻る」。何度でも
・いつでも"正しい方向"を忘れない
・自分の人生を「信頼する」

[内容]
はじめに)
どんな悩みも「正しく考える」ことで必ず解消できる。ほとんどの悩みは「心の反応」から生まれる。
悩みの始まりには決まって"心の反応"があるのです。
心が"つい"動いてしまうことーそれが悩みを作り出している"たった一つのこと"なのです。だとすれば、すべての悩みを根本的に解決できる方法があります。それはー"ムダな反応をしない"ことです。


1)反応する前にま「まず理解する」

★"求める心"「7つの欲求」(生存欲、睡眠欲、食欲、性欲、怠惰欲、感楽欲、承認欲)があり、それに突き動かされ反応(喜び、不満)を生み出している。

★心の状態を見ることで、反応から抜け出せる
・言葉で確認する(疲れているな、イライラしてるな)
・感覚を意識する(掃除している、食べている)
・分類する(怒り、貪欲※、妄想に分ける)
※求めすぎている状態

★「妄想」はナンバーワンの煩悩。抜け出す秘訣は、「妄想」と「感覚」の違いを意識しながら、感覚に意識を集中させる練習をする。

2)良し悪しを判断しない

★判断…全ての物事に対する自分の判断(決めつけ、思い込み、自虐、落胆、不安、人物評など)
人は「執着」によって苦しむ
人が苦しみを感じる時、その心には必ず「執着」がある
「自分が正しい」という執着を持つと"慢"が生まれる(傲慢)

★どんな状況でも判断せず、真実かどうか、自分にとって有益かどうかで考える
 
自己否定しない。(その判断に必要性がない)

3)マイナス感情で損しない

★悩みを整理する
①感情の問題(自分の問題)
②相手との関わり方
※①と②は分けて考える

★相手の言葉に反応したら、自分も同じ反応をしたことになる。「苦しみのない心」を人生の目的にする以上「反応して心を乱されることは無意味である」
どんな時も相手を見据えて理解するのみ

★反応しないことが最高の勝利
「もし罵る者に罵りを、怒る者に怒りを、言い争うものに言い争いを返したならば、その人は相手からの食事を受け取り、同じものを食べたことになる。わたしは貴方が差し出すものを受け取らない。貴方の言葉は、貴方だけのものになる。そのまま持って帰るがよい。」〜罵倒するバラモンへの言葉

★人間関係の基本は相手に委ねる。異なる意見をぶつけられるのは当たり前。相手が分かると思い込まず(妄想せず)に相手の意見を理解しようとする


★反応はせずに自分の心を見ることを忘れずに。心が動くのは当たり前。それ以上の反応(怒り、不安etc)をとめる。
「反応しない、まず理解」


★困った相手との関わり方
①相手のことを判断しない
②過去は忘れる
③相手を新しい人と考える
④理解し合うことを目的とする
⑤関わり方の方向性をみる

マイナス感情が湧いた時は「判断」したがる。判断はいつも自分自身の承認欲、つまり「慢」と繋がっている。
★人間同士の喧嘩は常に"慢"と"慢"のぶつかり合い
どちらにも(正しいと思っている)言い分がある。相手の言い分を否定しない。「あなたにとってはそれが正しいのですね」と理解するだけ。

★記憶を相手にしない(過去は忘れる)
その場を離れても相手にイライラ、モヤモヤしていたら、それは自分自身の「記憶」に反応しているだけ。相手は関係ない。
嫌な記憶が蘇ったら、その記憶への「自分の反応」をみる。「これはタダの記憶」「反応している自分がいる」と冷静に理解して感情を鎮める。

4)他人の目から「自由になる」


★承認欲は"妄想"である

そもそも人はそれぞれ条件が違う

条件が違うなら、結果(成果)が違うのは当たり前

承認欲は誰にでもある。それを正しく利用する。

動機(モチベーション)にするのは良いが、目的にしてはいけない。何故なら?それ(評価)は他人が決めることだから。
★それよりも自分のやるべきコトに集中することを目的にすべき。

★無明(無理解)の状態において、心は反応する。
刺激に触れた時、心は反応して、感情が、欲求が、妄想が結生(作られる)する。その思いに"執着"することで、ひとつの心の状態が生まれる。その常態が新たな反応を作り出し、様々な苦悩が生まれる。

5)「正しく」競争する


求める心…人より優位に立ちたい、上に行きたいと思う心

そんなの気にしてないと思う人(自分)も心の底では競争意識(求める心)が働いている?

★競争は"妄想"である

しかし世の中は競争に溢れている
学校の成績、学歴、年収、キャリアなど、競争社会

他人と比べず、自分に勝つ

★正しい心で社会と向き合う(四つの心)

・相手の幸せを願い(慈しみ)、
・相手の苦しみに共感(悲しみ)、
・相手の喜ぶことに共感(喜び)、
・欲や怒りという反応を捨てること(捨てる)

※世間ではこれら四つをまとめて「愛」と表現している。仏教ではもう少し厳密に四つの心の働きに分け理解する。

★五つの妨げ
・快楽に流される心・怒り・やる気の出ない心・落ち着かない心・疑い
このような心の状態では、物事をよく理解することも、正しく考えることもできない。ゆえに苦しみの連鎖はいつまででも続く。
人間だから妨げに負けることもある。自分を否定せず「弱い心」に気づくことが大切。

★嫉妬、コンプレックス
承認欲を相手に向けている状態。「相手」が原因なのではない。その怒りの原因は、「認めてもらえない」という自分自身の承認欲の不満にある。八つ当たりと同じ。「相手は関係ない」と考えて怒りから降りること。自分の内側(動機、持っていること、できること)
を見ることから始める。

終)考える「基準」を持つ

★"正しい生き方"とは
・反応せずに正しく理解すること(正見:しょうけん)
三毒など悪い反応を浄化する(清浄行)
・人々・生命の幸せを願うこと(四つの心で)

心に"よりどころ"を持つことで、さまよえる人生を抜け出す。
ブッダは「自分自身」と「正しい生き方」のみをよりどころにして、"他のものに決してすがるな"と伝えていた。



[まとめ]
仏教は「生きる事には苦しみが伴う」と説く。これは「生きることはラクではない」という実感である。
"結論"ではなく"出発"なのだ。ブッダは「その苦しみを乗り越えなさい」と前向きな希望を語っている。
「自分だけではない。人はみな、苦しみを抱えている」〜筆者より


[用語集]

四聖諦(ししょうたい)
四つの真理のこと。
「世界は永遠か、終焉があるか。有限か、無限か。霊魂は存在するか、しないか。死後の世界があるか、ないか。私はこれらのことを、確かなものとして説かない。なぜならそれは、心の清浄・安らぎという目的にかなわず、欲望ゆえの苦痛を越える修行として、役に立たないからである。私はこれらの目的にかない、役立つことを確かなものとして説く。それは、生きることには"苦しみ"が伴う。苦しみには"原因"がある。苦しみは"取り除くことができる"。そのための"道"(方法)があるということである。」

渇愛(かつあい)
求める心。いつまでも渇いてる満たされない心。

サティ(瞑想)
言葉で確認する。感覚を意識する。

三毒 : 貪(とん)、瞋(じん)、癡(ち)
人間の三大煩悩。(貪欲、怒り、妄想)

不動心(ふどうしん)
禅語。心は動き続けて当たり前。自分の心を見る、見張って、よく気づいて、それ以上の反応を止める。

解脱(げだつ)
正しい理解を極めた人、ブッダが到達した境地。悟り、涅槃(ねはん)

無常(むじょう)
現実(万物)は常に変わりゆくもの。諸行無常

八正道(はっしょうどう)
目的成就のための8つの教え。正念(よく気づくこと)、正定(一点に集中)、正精進(気づきと集中を継続)、etc…

脚下照顧(きゃっかしょうこ)
足元(自分の内側)を見るーという生き方。「自分にできることは何か」「改善を重ねていく」謙虚な生き方。

三帰依文(さんきえもん)
仏教徒が宣誓する誓いの一節。仏(ブッダ)・法(ダンマ)・僧(サンガ)の三つに基づいて生きるという誓い。「自らの心の土台に"正しい生き方"を据えます」という、自らへの約束・誓いのこと。


https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321501000178/

ツァラトゥストラ

著者-ニーチェ 翻訳-手塚富雄 中公文庫
《目次》
第一部
ツァラトゥストラの序説ー超人と末人
ツァラトゥストラの言説
第二部
第三部
第四部
ニーチェと現代
解説

《用語》
*超人思想
序説より「人間とは乗り越えられるべきものである。あなたがたは、人間を乗り越えるために何をしたか。おそよ生あるものはこれまで、おのれを乗り越えて、より高い何ものかを創ってきた。ところがあなたがたは、この大きい潮の引き潮になろうとするのか。人間を乗り越えるより、むしろ獣類に帰ろうとするのか。」
「人間は、動物と超人との間に張り渡された一本の綱であるー深淵の上にかかる綱である」

*末人
序説より「最も軽蔑すべき者について語ろう。それは末人というものである」生産性のない人。

ニヒリズム(虚無思想)
序説より「まだあのことを何も聞いていないとは。神は死んだ、ということを」
人間の存在目的、真理・価値がないとする思想。


永劫回帰(運命愛)
快癒しつつある者より
「ー私は永遠に繰り返して、同一のこの生に帰ってくるのだ」

*重さの霊
重さの霊より
世俗的な他律的価値観念。他人に言われてから動こうとする考え。真の自己に帰れば、自由と軽さが得られる。

https://www.chuko.co.jp/bunko/2018/05/206593.html

DEATH「死」とは何か

著者-シェリー・ケーガン 文響社

《目次》
第1講 「死」について考える
第2講 二元論と物理主義
第3講 「魂」は存在するか?
第4講 デカルトの主張
第5講 「魂の不滅性」についてのプラトンの見解
第6講 「人格の同一性」
第7講 魂説、身体説、人格説ーどの説を選ぶか?
第8講 死の本質
第9講 当事者意識と孤独感
第10講 死はなぜ悪いのか
第11講 不死ー可能だとしたら、あなたは手に入れたいか?
第12講 死が教える「人生の価値」の測り方
第13講 私たちが死ぬまでに考えておくべき「死」にまつわる6つの問題
第14講 死に直面しながら生きる
第15講 自殺
死についての最終講義 これからを生きる君たちへ

《内容》
多くの人は死について避けようとする。恐れているから、無意識に考えないようにしている。シェリー先生にすれば、やみくも恐れることは間違いだという。
「魂」が存在するか?魂は存在すると信じているか信じないかは意見が分かれると思う。シェリー先生は魂を信じていないそうだ。
ただ、信じているか信じないかはあまり重要ではないという。
「死は必ず訪れる」その現実を「自分なりに考える」ことが重要であり本書の目的だと書いている。
死の本質について「死がなぜ悪いのか?」を考える。
また、死について考えた上で「どう生きるのか」がテーマの本となっている。

https://bunkyosha.com/books/9784866510774/article/1

史上最強の哲学入門

著者-飲茶(やむちゃ) 河出文庫

内容
古代より、「真理」について議論されてきた。

真理とは、確実な根拠によって本当であると認められたこと。ありのまま誤りなく認識されたことのあり方。(wikipediaより)


1章 真理の「真理」
プロタゴラス(BC485〜410)がギリシア相対主義を説いた。「人間は万物の尺度である」
ソクラテス(BC469〜399)が「無知の知」を広めた。
デカルト(1595〜1650)が言った「我思う。ゆえに我あり」
ヒューム(1711〜1776)は「自我」「神」「化学」を否定した。
カント(1724〜1804)は「真理とは人間によって規定されるもの」と主張した。
ヘーゲル(1770〜1831)は真理とは「弁証法」を使って形作られると説いた。
弁証法とは対立する意見をぶつけて闘争させ物事を発展させていく考え方。
キルケゴール(1813〜1855)は実存主義(自分自身の真理が一番大切)を主張した。
サルトル(1905〜1980)は「人間は自由の刑に処されている」と言った。
レヴィ=ストロース(1908〜2009)は構造主義(目指すべき唯一の文化、究極の社会なんてものはない)を主張する。
デューイ(1859〜1952)は真理なんてどうでも良いから役に立つか?で考えようと、プラグマティズム(実用主義道具主義)を提案した。
ジャック・デリダ(1930〜2004)は到達できない真理は不毛だとして脱構築を提案。※脱構築は私には理解できません(笑)
レヴィナス(1906〜1995)は他者論を説いた。「絶対に確実だと言えるのは『私』と『他者』の存在なのだ」「この世界とはこの二者によって構成されているといえる」

2章 国家の「真理」
プラトン(BC427〜347)は究極の理想な国家を知ることができる人間が国家を運営していくべきだ(イデア論)と唱えた。
アリストテレス(BC384〜322)は『論理学』を用いて国家について分析した。
ホッブズ(1588〜1679)はなぜ国家に支配者が必要かリバイアサン(架空の化け物)を用いて説明した。「社会契約説」
ルソー(1712〜1778)は真の権力者は民衆であると「人民主権」を訴えた。
アダムスミス(1723〜1790)は市場には「見えざる手」が働いているから国が手出してしなくていいと言った。
マルクス(1818〜1883)は資本主義より優れた社会システムとして「共産主義」を提唱した。

3章 神様の「真理 
エピクロス(BC341〜270)は「快楽主義」を唱え、人間の普通の快楽を肯定して生きろと言った。
イエス・キリスト(BC4〜AC30)「汝の隣人を愛せ」「汝の敵を愛せよ」と言った。弟子たちがキリスト教を作った。
アウグスティヌス(354〜430)は「懺悔」をキリスト教の教義にした。
トマス・アクィナス(1225〜1274)は「神学」と「哲学」の調和を説いた。
ニーチェ(1844〜1900)は「神」を否定し、人間の果てなき向上心を持てと言った。

4章 存在の「真理」
ヘラクレイトス(BC540〜480)は「存在」とは「変化」するものと言った。
パルメニデス(BC515〜450)は「存在」とは「不変」のものだと言った。
デモクリトス(BC460〜370)は「原子論」を唱えた。「物質」は変化するし、「原子」は不変だと言った。
ニュートン(1642〜1727)は「力学」を生み出して、地上や宇宙のことを説明した。
バークリー(1685〜1753)は「存在」とは「知覚されること」であると言った。(主観的観念論)
フッサール(1859〜1938)は「現象学」を作り出す。主観的な意識の上におこるあらゆる体験を『現象』と名づける。
ハイデカー(1889〜1976)は「存在」とは「人間の中」で生じるものと言った。
ソシュール(1857〜1913)は「記号論」を使い「存在」について説明した。「存在」とは『価値』を見出されて存在するものと言った。「価値を見出す存在」がいなければ、「存在」しないことになる。

https://www.kawade.co.jp/sp/isbn/9784309414133/

スターウォーズに学ぶ国家・正義・民主主義

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著者-岡田斗司夫 SBクリエイティブ

内容
本書から抜粋

古代ローマ、共和制から帝政に変わるまで
紀元前1世紀頃、カエサル(ジュリアス・シーザー)がローマで台頭してきた。それまでは共和制で政治を行っていたが、領土が拡大すると敵国から守るには共和制の限界を感じたカエサル元老院を支配し、ローマ帝国の初の独裁官となる。カエサルの死後も帝制が続いていった。



ジェダイ人間性がない?
ジェダイは、欲望を捨てて生きることを教える。シスは人間の欲望に従って生きる。どちらが正しいのかとう話ではなく、人間として正しく生きれば良いとスターウォーズが教えてくれる。



・人は善悪で決める癖がある
「あの人(国)は悪い人(国)だ」と決めつける。認知バイアスだと思われる。



・政治の役割とは?
❶「正義」・・・多様な正義を戦わせて議論するのが民主制。
❷「分配」・・・税金を集めて共同で使う設備を作ったり、貧乏な人を補助する。
❸「機会」・・・選挙、教育など。
❹「救済」・・・障害のある人、お金がない人をフォローする。
❺「保障」・・・世の中の理不尽(災害、戦争、事故)から国民を守る。
❻「祭祀」・・・イベント。オリンピックなど。国民が一体感を得られる。



・平等主義とリバタリアニズム
平等主義・・・社会の格差問題。才能ある人、お金がある人は、社会に還元しなければならないという考え。

リバタリアニズム・・・完全自由主義。そういう思想の人をリバタリアンと呼ぶ。「絶対権力は必ず腐敗する」という信念をもっている。個人の完全な自治を標榜し、究極的には国家や政府の廃止を理想とする。



・暴力、話し合いはでは解決しないこと
歴史を見れば、暴力や話し合いでは解決できないことが山ほどあった。あるのは「決着」のみ。



感想
全く政治について無知だった自分が政治、正義、民主主義について、考えさせられるキッカケになった本だと言える。スターウォーズ、アメコミ、ガンダムの世界を深いところまで考察する本。とても楽しめる良書だと思う。