アドラーに学ぶ〜よく生きるために働くということ

著者-岸見一郎 KKべセトセラーズ

内容 (本書より抜粋)

<1章>なぜ働くのか?

・人生の課題について

・分業について

・対人関係について

<2章>あなたの価値は「生産性」にあるのではない

・働けなくなった時

・仕事の目的

<3章>職場の対人関係を改善するために

・人の性格について

・上司が叱る・褒める事について

<4章>幸せに生きるためのこれからの働き方

・人生の調和

・自分が第一義を決める

 

 

要約

人間は一人で生きているのではなく、他者との共同体の中で生きている→人生の課題

 

仕事もそれぞれが得意なことを分業し共同体の中で貢献していかなければならない

 

貢献することで、自分に価値があると思える

 

人間の悩みは対人関係が全ての悩みである

貢献感があれば対人関係に入っていく勇気がもてる

 

私たちの仕事は常に共同体のことを考え、他者に関心をもってなさなければならない

 

家事による貢献

仕事ばかりでなく、家族に対する貢献もしなければならない

 

働けなくなった時をどう考えるか

「老い」は必ずくる

自分の価値を「できること」だけに求めて生きないことが大切

 

仕事の目的は「他者貢献」

人間の価値は「何が出来るか」ではなく「生きていることそれ自体」

生産性でしか計らない社会の常識にとらわれない

 

性格を生まれつきのものと考えるのではなく、目の前の人との関係性で見る

 

アドラーは人をタイプ分けをしない

 

上司が部下を叱る事ではメリットはない

叱ることは、怒ること

怒りは人との距離を遠ざける

褒めることも、上から下にかける言葉

部下の貢献に注目し「ありがとう」でいい

上司に間違っていれば反論すればいい

人間としては対等な関係なのだから

 

ワークホリック(仕事中毒)の人は人生の調和を欠いているかもしれない

働くことを生きることの中でどう位置付けるか

 

仕事は他人との競争ではない

仕事において何が一番大事なことなのかがわかっていれば、他の人がどうするか、また自分が決めてしたことであれば他の人からどう思われるかはどうでもいい

 

働くこと自体よりも、働くことを含めた「生」にこそ価値があるのであり、働くことがそのまま生きること

 

 

アドラー心理学 基本用語 [本書より抜粋]

 

人生の課題

「仕事の課題」「交友の課題」「愛の課題」の3つがある

それぞれを独立して解決することはできない、各々の課題を解決するためには他の二つの課題も解決する必要がある

 

貢献感

共同体に貢献することにより自分が役立っていると感じる感覚

 

 

共同体感覚

Social interest「他者への関心」の和訳

 

 

 

 

 

 

アドラー心理学入門

著者-岸見一郎 kkベストセラーズ1999

 

アドラーは、1870年オーストリアのウィーンで生まれる。病弱だった彼は医師になり、その後社会主義などに関心をもち、妻と結婚し4人の父親となる。

個人心理学会(アドラー心理学と呼ばれる)を1913年に設立。第一次大戦中は軍医として参戦。

その後アメリカに移住し大学の教授として活動。1937年に67歳で生涯を閉じる

 

アドラー心理学では、人間の悩みは全て対人関係の悩みだという考え方

 

話が通じない、この人とは分かり合えないな、と感じた経験はないだろうか?

 

アドラーは、「そもそも人は分かり合えない」と言っている

ではどうすれば良いのか

 

 

 

 

アドラーならこう答える

「話し合え」力によるものではなく話し合いで解決しろと

 

 

 

アドラーは縦の関係(上下関係)は精神的な健康を損なう最も大きな要因であると言う

「横の関係を築きなさい」

 

 

 

 

それでも解決できないなら、なお話し合うしかないと答えるだろう

それしか解決する方法がないのだから

 

 

ここからは個人的(私)な感想

 

 

相手の事が好きになれない(家族や身近な人の場合)

 

 

 

「相手が許せない」と思える時…

 

そういう時は、一旦問題を棚に上げておく

そういう時は、感情に支配され易い

(アドラーは感情に支配されることも認めていない)

 

 

いくら時間がかかるか分からないが、少しずつ話をする(お互いに歩み寄るまで)

 

 

話合うことを諦めたら、永遠に問題は解決しない

 

 

 

どんなに話が噛み合わなくても、理解されなくても伝える、また理解しようとする

(言葉だと簡単だが実際にはかなりエネルギーを使う)

 

 

 

 

会社の人とは、簡単

割り切って接するのが一番

パワハラはちゃんと告発する勇気

 

 

 

人それぞれ人間関係(対象)は違うけど、接する頻度が高ければ高いほどストレスに関係が大きい気がする。

 

 

アドラーは価値観について、「何が正しくか、正しくないかは相対的である」と言っている

 

 

「あの人が気に食わない」としても、アドラーは人の課題に土足で踏み入るな!と言っている

人はそれぞれの価値観の中で生きているのだ

※もちろん自分が含まれていることも忘れずに

 

「人は自分が意味付けした世界に生きている」

 

 

 

 

 

アドラー心理学 基本用語 [本書より抜粋]

 

不適切な行動

相手の迷惑になる行動のことをそう呼ぶ

手続き(話し合い)を踏んで改善を要求する権利がある

 

 

中性の行動

適切でも不適切でない行動

本人の意思を尊重し、他人が頼まれもしないのに介入していく権利はない

 

 

課題の分離

誰の課題かは最終的に誰が責任を引き受けなければならないか、あるいは選択の結末を引き受けなければならないかを考えればわかる

 

認知論 

人は皆それぞれが意味づけした世界に生きているという考え方。人間が客観的な世界に生きてはいないということ。