プラグマティズム入門

著者-伊藤邦武
ちくま書房 2016

【目次】
序章 プラグマティズムとは何か(複数の誕生と再生
ジェイムズの考えた「プラグマティズムの意味」)
第1章 源流のプラグマティズム(パース
ジェイムズ 
デューイ)
第2章 少し前のプラグマティズムクワイン
ローティ
パトナム)
第3章 これからのプラグマティズム(ブランダム
マクベスとティエルスラン

  • ハークとミサック)

【人物像と思想や概念】
・チャールズ・パース(1839~1914)プラグマティズムの最初の提唱者。
父が数学者でその影響を受ける。形式論理学における革命という形で具体化していく。デカルト以来の哲学の思想的前提や問題設定を批判する。
言語や記号ぬきには思考や認識することできないこと主張した。活動あるいは行為、実践のことをギリシア語で「プラグマ」と呼ぶ。
デカルト的な懐疑を否定して、行為を可能する認識の役割を吟味しようとする「行為」を軸に考える認識論は「プラグマティズム」と呼ばれる。
中心概念「明晰さの第三段階」「プラグマティックな格率」


ウィリアム・ジェイムズ(1842~1910)パースの盟友。
パースと同じ科学者であり、専門分野は生理学・心理学・宗教学。
プラグマティズムの発想を「真理」「価値」などような抽象的な概念にも適用しようとした。
中心概念「信じようとする意志」「純粋経験」「多元的宇宙論」「中世一元論」


ジョン・デューイ(1859~1952)パース、ジェイムズとは親しい友人。
学校教育、政治、芸術など幅広く活躍した20世紀を代表する国際的な知識人。ヘーゲル主義とダーウィンの進化論を重ねて人間の認識作用について独自の研究を進める。パースの「探求の論理」という発想をこの哲学の中心的な思想と理解して我々の経験や理性がもつ「実験的な性格」を強調すると同時にその言語的・社会的な性格にも注目した。
中心概念「保証付きの言明可能性」「民主主義」

クワイン(1908~2000)
論理実証主義からネオプラグマティズムを提唱した人。
中心概念「経験主義の二つのドグマ」「根底的翻訳の不確実性」

リチャード・ローティ(1931~2007)
ネオプラグマティズムを発展させる。
認識論における基礎付け主義、真理についての本質主義、言語に関する表象主義として性格づけたうえでそれぞれが破綻していると主張。
中心概念「連帯」「自文化中心主義」


【感想】
第二章のネオプラグマティズムまで188ページで息切れしてしまった。しばらく時間をおいて続きを読もうと思う。