民主主義とは何か

著者:宇野重規
講談社2020年
[目次]
序:民主主義の危機
第一章:民主主義の「誕生」
第二章:ヨーロッパへの「継承」
第三章:自由主義との「結合」
第四章:民主主義の「実現」
第五章:日本の民主主義
結び:民主主義の未来
[感想]
まずは、ここまでわかりやすく民主主義を説明した本はないだろうということ。政治の本ってなんか、専門用語多くて読みにくいけど、この本は違う。
古代ギリシアの民会から始まった民主主義が現代のヨーロッパ、アメリカ、日本にどう繋がっているのか。
また、有名なルソーやミル、ウェーバー、ハンナ・アーレントの考えも出てくる。こんな面白い政治の本は他にないだろう。最初から最後まで一気に読めた。
[用語]
ポピュリズム
政治変革を目指す勢力が、既成の権力構造やエリート層を批判し、人民に訴えてその主張の実現を目指す運動である。 日本では、「固定的な支持基盤を超え、幅広く国民に直接訴える政治スタイル」という意味で使用されることが多い。
利益誘導(りえきゆうどう)
多数派の利益よりも親族や自身の選挙区民、関連団体など仲間や身内の少数派へ補助金や特権など利益をもたらそうとする行為である。
統帥権(とうすいけん)
軍隊の最高指揮権を指します。君主国や共和国では、国家の元首である君主や大統領、首相が統帥権を掌握するのが一般的です。
日本では、大日本帝国憲法の時代には天皇が統帥権を持ち、陸海軍を指揮監督していました。天皇は戦争の開始や講和の権限も持っていました。
統帥権に関する特徴は次のとおりです。
内閣や議会は統帥権に口出しすることができませんでした。
軍令機関の長である参謀総長や軍令部長が天皇を輔弼(ほひつ)していました。
軍事は専門領域とされており、首相も関与できませんでした。これを「統帥権の独立」と呼び、政治的対立の重要な争点となりました。
明治時代以降、軍部は統帥権の独立性を武器として議会に圧力をかけ、勢力を拡大することもありました。